【11月28日 AFP】(写真追加)ジンバブエ政府は28日、ハイパーインフレーションの再来に対する懸念が広まる中、深刻な現金不足を緩和するため、米ドルと等価の自国版紙幣「ボンドノート」の発行を開始した。

 アフリカ南部のジンバブエでは、インフレ率が5000億%に達してジンバブエ・ドルを放棄した2009年以降、米ドルを含む複数の外国通貨が使われてきた。

 しかし1年前、小額貨幣の不足を緩和するために「ボンドコイン」を発行。今回はこれに続き2ドルと5ドルのボンドノート紙幣が導入された。

 国内ではこのところ米ドル紙幣不足が深刻で、ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領は、現地で「代理紙幣」と呼ばれる代替紙幣を印刷せざるを得ない状況に陥っていた。中央銀行は国民の不安を和らげるために広報キャンペーンを打ち、小売業界や企業でもボンドノートの使用に合意済みだと宣伝している。

 一方、ボンドノート導入はガソリン不足の懸念を巻き起こし、ガソリンスタンドでは先週、車が列をつくるところもあった。また市街ではボンドノート導入に対する抗議デモも起きており、この2週間で複数の活動家が予定されていた抗議行動に先立って、殴られたり逮捕されたりしている。(c)AFP/Reagan MASHAVAVE