【11月26日 AFP】韓国検察は25日、朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領の職権乱用スキャンダルが大きくなる中、同国競泳界のスターで五輪選手の朴泰桓(Tae-Hwan Park、パク・テファン)が、元政府関係者から恐喝の標的にされていたことについて捜査中であると認めた。

 朴大統領は、親友だった崔順実(チェ・スンシル、Choi Soon-Sil)被告が同大統領との個人的関係を利用して、自身が運営する複数の財団に大手財閥などから多額の寄付を強要したとされる件について、関与の疑いが持たれている。

 弾劾訴追の危機に迫られている朴大統領の一連の問題で、新たに名前が挙がった朴選手は、「寄付」の強要に協力して逮捕された金鍾(キム・ジョン、Kim Chong)前文化体育観光省次官から、脅されていたと訴えた。

 2008年の北京五輪で金メダルを獲得した朴選手は、今年5月に金前次官から、リオデジャネイロ五輪に出場するなら企業スポンサーから切られることになると脅されたとし、「そのときは、彼のような政府高官から言われて本当に恐ろしかった」と明かした。

 金前次官がなぜ朴選手のブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)行きを阻もうとしたのかは現在も不明であるものの、同選手は脅されたことでリオ五輪への準備がおろそかになり、不本意な結果に終わったと話している。

 一方、一部報道では野党議員の話として、金元次官は2014年に代表選手用のトレーニングセンターを訪れた際、朴選手を気に入らなかったと伝えている。

 金元次官の恐喝容疑については、その内容を録音した音声ファイルが検察に提出されており、検察の広報担当者はAFPに対し、「この疑惑について、調査を開始していることは事実である」とコメントした。(c)AFP