■「撤退も間近か?」

 ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)には、ほかにもゴルフ場が2か所存在しているが、いずれも国際基準を満たしておらず、プライベートコースとなっている。

 ブラジルゴルフ連盟(BGC)が運営するこの五輪コースは公営だが、同国のゴルフ人口はほんのわずかで、コース使用料も地元住民は74ドル(約8500円)から82ドル(約9400円)、外国人ビジターが192ドル(約2万2000円)と高額設定になっている。

 地元ではプレーを楽しむ人が少なく、外国人を魅了するようなプランにも乏しいため、ゴルフ場はすでに財政難に陥っており、コースの建設者で管理責任者を務める英国人のニール・クレバリー(Neil Cleverly)氏によれば、雇い主であるプロゴルフ(Progolf)社からは2か月も給与が支払われていないという。

「燃料などが底をつけば一体どうなるのか?それはもう目前まで差し迫っています。12月も仕事があるのかどうか、誰も分かりません」

 名前を明かさないことを条件に取材に応じたプロゴルフ社の関係者は、連盟から何の連絡もないことに加え、メンテナンス費用として同社が自腹で毎月8万2000ドル(約940万円)の支出を強いられ、近いうちに撤退する準備を整えていることを告白。さらにそうなった場合、連盟は手遅れになる前に代替の専門業者を探す必要があり、メンテナンスをしなければ「きっと3、4週間でゴルフコースは死んでしまいます」と話した。

 AFPは繰り返し取材を申し込んでいるものの、連盟からの反応はない。