【11月24日 AFP】仏パリ(Paris)のエッフェル塔(Eiffel Tower)に設置されていたらせん階段の一部が、同市で開催された競売にかけられ、予想落札価格の10倍以上となる52万3800ユーロ(約6200万円)で落札された。仏競売会社アールキュリアル(Artcurial)が23日、明らかにした。

 出品されたのは、パリの観光名所であるエッフェル塔の2階と3階をつないでいた錬鉄製のらせん階段のうちの14段。

 アールキュリアルによると、22日に行われたオークションには国外の複数のバイヤーが参加。入札開始価格の2万ユーロ(約235万円)から一気に価格が上昇し、予想落札価格の4万ユーロ(約470万円)をはるかに上回る劇的な展開となった。

 最終的に、電話入札で参加していたアジアのバイヤーによって落札された。

 高さ324メートルのエッフェル塔は、伝説的なフランス人技師ギュスターヴ・エッフェル(Gustave Eiffel)が1889年開催のパリ万国博覧会(Paris Universal Exhibition)のシンボルとして設計した。完成するや否やパリの象徴となったエッフェル塔は、万博終了から数年間は取り壊しを求める声も上がったものの、現在では国内で最も人気の観光名所となっている。

 今回出品された階段は1983年にエレベーターを設置するために撤去され、高さ2~9メートルのパーツ24個に分割された。一部が博物館に買い取られた他、山梨県の清春白樺美術館(Kiyoharu Museum)の庭園や米ニューヨーク(New York)の自由の女神像(Statue of Liberty)の傍ら、米フロリダ(Florida)州のウォルト・ディズニー・ワールド(Walt Disney World)にあるエッフェル塔のレプリカの脇などに展示されている。(c)AFP