【11月23日 AFP】旧ポル・ポト(Pol Pot)政権時代(1975~79年)に起きた大量虐殺を裁くカンボジア特別法廷(ECCC)は23日、「人道に対する罪」に問われていたポル・ポト派の元最高幹部、ヌオン・チア(Nuon Chea)元人民代表会議議長(90)と国家元首も務めたキュー・サムファン(Khieu Samphan)元幹部会議長(85)に対し、一審の終身刑判決を支持する判決を言い渡した。二審にあたるこの日の判決により、両被告の終身刑が確定した。

 ヌオン・チア被告はクメールルージュ(Khmer Rouge)とも呼ばれたポル・ポト政権のナンバー2とされ、キュー・サムファン被告は首相も務めた人物。2人は200万人が犠牲になったとされるポル・ポト政権時代に起きた大量虐殺の責任を問われ、2014年にポル・ポト派の元最高幹部では初めて禁錮刑が決まった。だが両被告は、国連(UN)の支援を受けた特別法廷は多くの誤りを犯し、判事も公平さを欠いていると非難して上訴していた。

 しかし数か月におよぶ審理を経て22日に出された二審の判断は、一審において多少の法的な落ち度があったと認めたものの、有罪判決と量刑に関しては一審を支持。コン・スリム(Kong Srim)裁判長は、両被告はカンボジア国民の最終的な運命を「まったく留意せず」、犯した罪の規模は「膨大」で、よって終身刑判決は「妥当である」と結論付けた。(c)AFP