【11月23日 AFP】ベトナム政府は22日、電力不足を補うと期待されていた数千億円規模の原子力発電所2か所の建設計画を中止した。

 東南アジア初となるはずだった2か所の原発は、日本の電力会社9社などが出資する国際原子力開発(JINED)とロシア国営原子力企業ロスアトム(Rosatom)の支援によって、南部ニントゥアン(Ninh Thuan)省に計画されていたもので、計4000メガワットの発電容量が見込まれていた。

 計画中止の理由は、環境的・財政的問題に加え、09年に最初に計画が提案されて以降、建設コストが当初の倍の180億ドル(約2兆円)に増加してしまったためだという。ベトナム政府によれば、2011年の東日本大震災での福島第一原子力発電所の事故以後、いっそう先進的な技術が必要だと開発側が判断したため、コストが膨れ上がったという。また、ベトナム政府はウェブサイトで「(原発の)建設計画の中止は技術的な問題が理由ではなく、わが国の現在の経済状況だ」と説明している。(c)AFP