【11月19日 AFP】ロシアの絵画修復チームが18日、最近発見されたロシア最後の皇帝ニコライ2世(Nicholas II)の肖像画を公開した。この肖像画は彼の仇敵であるロシア革命の指導者ウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin)の巨大な肖像画の裏に1世紀近く隠されていた。

 タチアナ・ポツェルイェバ(Tatiana Potseluyeva)氏率いる絵画修復家チームは3年間におよぶ苦労の末、ニコライ2世の肖像画を発見した。

 1918年にレーニンが率いた一派ボルシェビキ(Bolsheviks)によって銃殺されたニコライ2世の肖像画は、水彩絵の具の層で覆われていたことから、いつか発見されることを期待してひそかに保存したものとみられる。

 ポツェルイェバ氏はAFPに対し「この正式な肖像画は1896年にイリヤ・ガルキン(Ilya Galkin)が描いたもので、レーニンを描いたもう一つの肖像画の裏に約90年間、隠されていた」と語った。

 ほぼ無名の画家ガルキンは、ロシア皇帝の肖像画を複数枚手掛け、1917年にロシア革命が始まる前の1915年に死去した。

 一方、表側にあった、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)のペトロ・パブロフスク要塞(Peter and Paul Fortress)の前に立つレーニンの肖像は、ウラジスラフ・イスマイロビッチ(Vladislav Izmailovich)という別の画家が1924年に描いたものだという。(c)AFP/Marina KORENEVA