【11月19日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領が就任後、首都ワシントン(Washington D.C.)のホワイトハウス(White House)ではなく、ニューヨーク(New York)に所有する高層ビル「トランプタワー(Trump Tower)」の自邸に住み続けるつもりだという臆測が正しかった場合、どうなるだろうか? ニューヨーク市のビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は18日、この問題を取り上げた。

 これまで常にニューヨークに住んできたトランプ氏は先週の米大統領選で勝利して以降、マンハッタン(Manhattan)からほとんど出ていない。大半の時間を5番街(Fifth Avenue)に所有するトランプタワーで家族や顧問らに囲まれて過ごしているため、警備面や現在も続いている反トランプデモの影響から、米国最大の都市の中心部に大混乱をもたらしている。

「このような状況は前例がない」と報道陣に語ったデブラシオ市長。警備費用の具体的な金額は口にしなかったが、世界各国の指導者が一堂に会して毎年行われる国連総会(UN General Assembly)の期間中を超える法外な額だと述べた。

 年末年始の休暇シーズンが近付く中、トランプ氏がマンハッタンに滞在を続けると予想しているニューヨーク市当局は、すでにトランプタワー周辺で実施している警備態勢と交通制限を強化し、1月20日にワシントンで行われる大統領就任式まで継続する計画だ。

 デブラシオ市長はコストを抑え、かかった費用は連邦政府に請求し「最大限」可能なだけ取り返したいという意向を隠さなかった。トランプタワー周辺に24時間態勢で配備されている警官と対テロ部隊の増員以外にも、交通渋滞と反トランプデモによって一帯の商業活動の収入が落ち込んでいるといった影響が出ていることも市長は強調した。そしてニューヨーク住民に、車に乗っている際にはできるだけトランプタワー周辺を通行しないよう呼び掛けた。

 デブラシオ市長は「次期大統領が米国大統領に就任してその責任を引き受けたならば、ワシントンにいなければならない状況や、ホワイトハウスからでしか対処できない状況が頻繁に起きるだろう」と述べ、「だが、予断は許さない」と付け加えた。(c)AFP