【11月18日 AFP】ぼさぼさの金髪頭に自転車のヘルメットをかぶったボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英外相が歌い踊り、ラップのリズムに乗せてウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領をこき下ろす――英ロンドン(London)の劇場で、英国の欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット(Brexit)」を題材にしたミュージカルが絶賛上演中だ。

 世界に衝撃が走った国民投票から5か月。今週ロンドンで開幕した「ブレグジット:ザ・ミュージカル(Brexit: The Musical)」は、前ロンドン市長でEU離脱推進派の中心人物として失言を重ねた末に英外相に就任したジョンソン氏が主役の悲喜劇。主演俳優のジェームズ・サンダーソン(James Sanderson)さんによれば、「何をしているのか分かっているふりをしながら、実際は何が起きているのかさっぱり分かっていない風に見せる」のがジョンソン氏を演じるポイントだという。

 舞台上では、英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)党首代行が、ビールのグラスを片手に英国民と「ブリタニア(Britannia、英国の象徴的呼称)」の栄光を高らかに歌う。

 一方、テリーザ・メイ(Theresa May)首相は全てを監視下に置く「ビッグブラザー(Big Brother)」的な人物として描かれ、剛腕を振るってブレグジットを押し進める。対照的に、野党・労働党のジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首は、見事なまでに退屈極まりない人物として登場する。

 脚本を担当したのは、英政治・経済誌エコノミスト(The Economist)の記者から転身したデービッド・シャーレフ(David Shirreff)氏。EU離脱派と反対派の双方を公平に描くよう心掛けたという。

「世界はブレグジットを必要としていない、というのが私の考えだ。だから、舞台では可能な限りばかばかしく見せようと試みた」とシャーレフ氏。「2度の世界大戦だって喜劇になっている。きっと、似たような状況だったんだろう。今、私たちも戦争みたいな状況にある。だったら、それを笑い飛ばさないと」とAFPに語った。

 今回の上演は今月25日までだが、既に来年1月と2月に再演が決まっている。(c)AFP/Maureen COFFLARD