【11月18日 AFP】来年春に行われるフランス大統領選について、マニュエル・バルス(Manuel Valls)仏首相は17日、極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首が勝利する可能性はあると警告した。

 独ベルリン(Berlin)で行われた経済関連の会合に出席した社会党のバルス首相は、米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が衝撃的な勝利を収めた勢いに乗じて、反移民を掲げるFNのルペン氏が当選する可能性について聞かれ、「あり得ることだ」と述べた。

「全ての世論調査で、ルペン氏が決選投票に進出すると予想されている」とバルス首相は指摘。その場合、5月に行われる決選投票でルペン氏は「左派か右派の候補と対決することになる。政治のバランスが完全に変わるだろう」と述べ、「極右がもたらす危機」に警鐘を鳴らした。

 フランスでは、トランプ氏をホワイトハウス(White House)に送り、英国の欧州連合(EU)離脱を決めたポピュリズム(大衆迎合)やグローバリゼーションに対する怒りが、仏大統領府エリゼ宮(Elysee Palace)の鍵をルペン氏に渡してしまうのではないかと懸念する声が高まっている。

 直近の世論調査で25~28%の支持率を獲得しているルペン氏は、トランプ氏の勝利について「これまで不可能とみなされていたことを可能にした」と最近の英BBCのインタビューでコメント。「不変のものは何もない」と自信を強めている。(c)AFP/Marc PRÉEL