【11月18日 AFP】米首都ワシントン(Washington D.C.)に新たにオープンした国立アフリカ系米国人歴史文化博物館(National Museum of African American History and Culture)で開催されているボクシング界のレジェンド、故モハメド・アリ(Muhammad Ali)氏の展覧会に、米プロバスケットボール(NBA)、クリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)のレブロン・ジェームズ(LeBron James)が250万ドル(約3億円)を寄付した。米メディアが17日、報じた。

 以前から敬愛していたアリ氏がリングの内外で成し遂げてきたことに敬意を表して寄付を行うと表明したジェームズは、米紙USAトゥデー(USA Today)に対し、「アリ氏はリングの王者としてだけでなく、その立場や意見、そして振る舞いなどリング外においても、アスリートとしての自分にとって大きな礎となっている。毎日彼のことを考えている。彼が示した情熱や目標、そして道徳心がなければ、自分が今日ここに座って話をしているかどうか分からない」とコメントした。

 米スミソニアン協会(Smithsonian Institution)運営の同博物館で、「モハメド・アリ:変革へ導く力(A Force for Change)」と題されたこの展覧会には、アリ氏が練習拠点としていたマイアミビーチ(Miami Beach)市のジムから、同氏のヘッドギアや練習用ガウンなどが出品されている。

 ボクシングの垣根を越えたそのキャリアにおいて、20世紀を代表するアイコンとして人々に愛され、今年6月に74歳で死去したアリ氏の展覧会では、社会活動家としての同氏についてもたたえられている。

 NBAの伝説的選手で元シカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)のマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏が、今年8月に同博物館へ500万ドル(約5億5300万円)を寄付したのと同様に、今回ジェームズが多額の寄付を行ったことについて、アリ氏の妻ロニー(Lonnie Ali)さんは声明で、「レブロン・ジェームズ氏が示してくれた素晴らしい寛大さに圧倒されています。この展覧会では、訪れた子どもたちがリング外でのモハメドの仕事について学べることでしょう」と述べた。

 同博物館のロニー・バンチ(Lonnie Bunch)館長も、ジェームズの寄付を歓迎し、「彼の支援によって、これからもモハメド・アリ氏の物語が続けられ、社会的正義にとってスポーツがどれほど重要な役割を果たすのか、若いアスリートたちが認識する後押しになるでしょう」と語った。

「今回のジェームズ氏の行動は、若いアスリートや裕福層の人々に慈善活動を促し、先駆者に敬意を表することの重要性を示す意味でも、本当に大きいことです」

(c)AFP