【11月17日 AFP】米ニューヨーク(New York)市のビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は16日、市内でドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領と会談した。会談後の記者会見で、トランプ氏に対して、同氏が表明している不法移民の大規模な強制送還を阻止するためにあらゆる手を尽くすとけん制したことや、多くの市民が次期政権に「恐れを抱いている」と伝えたことを明らかにした。

 民主党リベラル派のデブラシオ市長は、マンハッタン(Manhattan)のトランプタワー(Trump Tower)にトランプ氏を訪問。その後記者会見を開き、米在留資格を持たない移民数百万人を強制送還するというトランプ氏の公約に断固反対し、外国人を歓迎する米国の伝統を擁護する考えを同氏に伝えたと説明した。

 デブラシオ市長は「この街(ニューヨーク市)、そして全米各地の多くの街は、住民を守るために、家族が引き裂かれてしまわないようにするために、できることは何でもやると彼(トランプ氏)に念押しした」と語った。

 デブラシオ市長はニューヨーク市を移民の「保護区」にすると宣言しており、不法移民を強制送還させないことや、滞在資格の有無にかかわらず市民に公共サービスを提供していくことを確約している。同様の考えはロサンゼルス(Los Angeles)やサンフランシスコ(San Francisco)、シカゴ(Chicago)、ボストン(Boston)、フィラデルフィア(Philadelphia)、首都ワシントン(Washington D.C.)といった都市の首長も明らかにしている。

 トランプ氏は来年1月20日の大統領就任後、最多で300万人に上る犯罪歴のある不法移民を強制送還もしくは収監する方針を示している。さらに幼少期に米国に入国した移民の強制送還を防ぐため、バラク・オバマ(Barack Obama)現政権が導入したプログラムも打ち切るとも公約している。(c)AFP/Catherine TRIOMPHE