【11月16日 AFP】(写真追加)シリア政府軍とロシア軍は15日、シリア北部アレッポ(Aleppo)で反体制派への広範囲にわたる攻撃を再開し、アレッポ東部への空爆も行った。米政府は攻撃再開を強く非難している。

 ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相は、先週シリア沖に到着した空母アドミラル・クズネツォフ(Admiral Kuznetsov)から初めて戦闘機を出撃させた今回の「大規模な作戦」について言及した。

 現地で状況を調査している監視員やAFP記者によると、シリア政府軍の航空機はアレッポ東部に空爆を行い、たる爆弾も使用しているという。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は、10月18日以来となる今回の空爆で少なくとも民間人5人が死亡したと明らかにした。

 10月18日、ロシア政府は一時停戦を控え空爆を一時停止すると発表。シリア政府軍による攻撃も収まり、空爆はおおむねアレッポのシリア政府と反体制派の支配地域の境界付近の戦闘が起きた場所に限定されていた。

 しかし今回の空爆再開で、アレッポ東部で政府軍に包囲されている住民25万人余りのつかの間の平穏は終わりを迎えた。

 米国務省のエリザベス・トルドー(Elizabeth Trudeau)報道官は、ロシア軍とシリア政府軍が病院と診療所を攻撃したとの報告を受けたことを明らかにした。

 トルドー報道官は記者会見で「ロシア軍とシリア政府軍がシリアで攻撃を再開したことを強く非難する」「最新の報告ではシリアで病院5か所と移動診療所1つが攻撃を受けた。国際法に違反する行為だと考えている」と述べた。(c)AFP/Karam al-Masri