【11月15日 AFP】米国で、不法移民の強制送還を公約に掲げて次期大統領に選出された共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に反発し、今後も移民らを保護する「聖域都市」であり続けると宣言する大都市が相次いでいる。

 8日に投開票が行われた大統領選でトランプ氏が勝利して以来、ロサンゼルス(Los Angeles)、ニューヨーク(New York)、シアトル(Seattle)、サンフランシスコ(San Francisco)がこうした方針を公表。14日には、シカゴ(Chicago)がこれに加わった。

 いずれの都市も、強制送還を前提とした不法移民の勾留を断固拒否し、正規の滞在許可の有無にかかわらず公共サービスの提供を継続すると約束している。

 シカゴのラーム・エマニュエル(Rahm Emanuel)市長は記者会見で、「8日に起こったことが原因で、今後自分がどうなるのか不安を覚えている子どもたちと家族ら全員に伝えたい」「シカゴ市にいれば、皆さんは安全で、安心して支援が受けられる」と呼び掛けた。

 民主党所属で、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領の第1次政権では首席補佐官を務めたエマニュエル市長は、特に若者については、正規の滞在許可を持たなくとも通学を継続し、無料のコミュニティーカレッジ教育も受けられると述べた。

 専門家らは、米国に暮らす不法移民の数は1100万人にも上ると推定しており、その多くが既に同国に長く定住してきた中南米出身の人々だとみている。

 トランプ氏は13日に放送された米CBSテレビの番組「60ミニッツ(60 Minutes)」のインタビューで、前科のある移民300万人を大統領就任直後に送還あるいは勾留する方針を示している。(c)AFP/Nova SAFO