【11月14日 AFP】リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得しながら、電車で居眠りをしている最中にそのメダルを盗まれてしまったイタリアのフェンシング選手だが、彼には幸運の女神がついていたようだ。ゴミの中からメダルを見つけた一般女性から、フェイスブック(Facebook)でうれしい発見の報告を受けている。

 リオ五輪の男子フルーレ個人で金メダルを獲得したダニエレ・ガロッツォ(Daniele Garozzo)は10月29日、大ファンであるサッカーイタリアセリエAの強豪ユベントス(Juventus)の試合を見ようと、電車でスタジアムへ向かっていた。ところが車内でうとうとしてしまったのが運の尽き。目を覚ましたときには、かばんの中からメダルが消えていた。

 ところがそこに現れたのが、マーラさんという女性だった。トリノ(Turin)市内の駅近くのゴミの中からメダルを見つけたマーラさんは、運良くガロッツォを知っていたため、フェイスブックを使って本人に連絡を入れた。

 そして、フェンシングW杯参戦のため東京に滞在していたガロッツォは、準々決勝の試合に敗れた後で携帯電話を見て、うれしい知らせを目にしたのだった。

 ガロッツォはガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)紙に対して、「本当にうれしい! メダルをなくして、体の一部を失ったみたいに感じていたんだ」と喜びを語った。

「まずは失礼のない形で、写真を送ってくれないかと頼んだ。信用してなかったわけじゃなくて、ぬか喜びはしたくなかったから。彼女には本当に感謝だよ。ぜひ、ご家族も含めて食事へ招待したい」

 見つかったメダルは、本人が帰国するまでガロッツォの友人が大切に保管するという。ガロッツォは「手元に戻ってくるのが待ちきれないよ」と話した。(c)AFP