【11月12日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は今週、イラク軍に協力するなどしたとして市民60人以上を殺害し、何人かの遺体を電柱につるした。国連(UN)が11日、明らかにした。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のラビナ・シャムダサニ(Ravina Shamdasani)報道官は声明の中で、「ISIL(ISの別称)は8日、ISに反逆しイラク治安部隊(ISF)に協力したかどでイラク北部モスル(Mosul)で市民40人を射殺したとされる」と述べた。「犠牲者に着せられたオレンジの服には赤文字で『反逆者、ISFの工作員』と書かれていた。彼らの遺体はモスルの複数の地区の電柱につるされた」

 同声明によると、ISは9日にもモスル北部にある軍事基地で「情報漏えい」のかどで20人を殺害した。

 すべての殺害行為は、ISが設立した「裁判所」の判決に従って行われたとみられる。

 米国の支援を受けたモスル奪還作戦の開始以来、戦闘により混乱し、情報提供者に対する報復措置の恐れもある中で、国連の調査官がISによるものとされる虐殺の詳細を証明するのは容易ではない。

 シャムダサニ報道官は11日、最近、虐殺があった際に死んだふりをしてやり過ごし、脱出後に国連職員に接触した情報提供者の男性が存在すると述べたが、この男性が切り抜けた虐殺の詳細は明らかにしなかった。(c)AFP