【11月11日 AFP】米人気歌手レディー・ガガ(Lady Gaga)さんがトランプタワー(Trump Tower)を包囲すれば、アカデミー賞(Academy Awards)の受賞経験もある女優のジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)さんは心痛なメッセージを投稿、歌手マイリー・サイラス(Miley Cyrus)さんは動画のなかで涙ながらに切々と訴える――米大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏勝利というまさかの結末に接したセレブたちは10日、深い悲しみに沈んだ。

 ツイッター(Twitter)のフォロワー数が欧州の多くの国の人口より多い米ポップ歌手ケイティ・ペリー(Katy Perry)さんはファンに向けて「意気消沈したりめそめそしたりしないで」と訴え、「私たちは憎しみに引きずり回されるような国民ではない」とのメッセージを送った。

 7日に民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官の最後の選挙集会で歌を披露したガガさんは投票日翌日の9日、ニューヨーク(New York)のマンハッタン(Manhattan)にあるトランプタワー前で「愛は憎しみに勝つ(Love Trumps Hate)」と書かれたプラカードを掲げて抗議し、10日もソーシャルメディアを通じて抗議行動を続けている。

 ジェニファー・ローレンスさんも女性向けサイト「ブロードリー(Broadly)」に寄稿し、結局は公職における「ガラスの天井」は永遠に破られないのだと思わざるを得ない女性たちに対して慰めの言葉もみつからないと述べ、「私があなたたちの立場だったら、自分の娘になんと言えばいいのかわからない。言えるのは希望を持って、未来を切り開いてということくらい」と語っている。

 一方、マイリー・サイラスさんはツイッターに投稿した動画のなかで「分かった、ドナルド・トランプ。私はあなたを受け入れます。これを言うのは本当につらいんだけど、米国大統領としてあなたを受け入れてあげる」と語りながら泣き出した。

 俳優、監督、映画会社幹部らがクリントン氏陣営に寄付した金額は2200万ドル(約23億5000万円)に上ったが、トランプ氏陣営への寄付は30万ドル(約3200万円)にも満たなかった。

 9日に米ABCのトーク番組に出演した俳優ロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)さん(73)は、今でもトランプ氏の顔を殴りたいかとの質問に「今はもう無理だ。彼は大統領だからね」と答え「大統領という地位には敬意を払わなきゃいけない」「彼がこれから何をして、実際に個々の課題をどのように処理していくのかを、われわれは注視していかなければならない」と語った。

 大統領選の選挙期間中、デ・ニーロさんがトランプ氏を「役立たず」「まぬけ」などと呼び、トランプ氏を殴ってやりたいなどと語る動画が拡散していた。デ・ニーロ氏は『レイジング・ブル(Raging Bull)』(1980)で実在のボクサーを演じてアカデミー賞を受賞している。(c)AFP/Frankie TAGGART