【11月10日 AFP】米国防総省は9日、米軍が2014年以降にイラクとシリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対して行った空爆で、119人の民間人が死亡した恐れがあると発表した。この死者数は、人権監視団体の推計よりはるかに少ない。

 この数字は、中東を担当する米中央軍(CENTCOM)が発表した過去24回の空爆による死傷者数に基づくものだ。米中央軍では報告書とデータベースの情報を数か月にわたって調査し、まとめたとしている。

 しかし、英ロンドン(London)を拠点とするNGO「エアウェイズ(Airways)」の推計によれば、2014年8月に始まった米国主導の有志連合によるISを標的とした空爆で死亡した民間人は、1787人に上る。

 また、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、有志連合の空爆によって犠牲になった民間人はシリアだけで少なくとも300人に上ると推計している。

 米中央軍のジョン・トーマス(John Thomas)大佐は声明で、国防総省の調査報告から「不幸な結果ではあるが、(米軍は)各空爆において適切な手順を踏み、武力紛争法を順守して大規模な予防策を講じていた」ことが明らかにされたと述べている。

 米軍は、有志連合による空爆の80%を実行しており、民間人の犠牲者を最小限に抑えるために精密誘導爆弾を使用していると主張している。(c)AFP