【11月10日 AFP】在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は9日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が「首都」と位置付けるシリア北部ラッカ(Raqa)近郊の村を米国主導の有志連合が空爆し、子供2人を含む民間人20人が死亡したと報告した。

 空爆を受けたのはラッカの北およそ40キロに位置するヘイシャ(Al-Heisha)村。監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、夜間に行われたこの空爆で女性9人と子供2人を含む民間人20人が死亡したほか、32人が負傷した。

 有志連合は一帯に空爆を加えたことを認める一方、民間人が犠牲になったかどうかについては調査中だとしている。米軍などの支援を受けてラッカ攻略戦を進めているクルド人主体の武装組織「シリア民主軍(SDF)」は民間人の死亡を否定している。

 米国の支援を受ける勢力はラッカと、ISのイラク最後・最大の拠点である北部モスル(Mosul)の奪還作戦を同時並行で展開中。9日にも両都市に攻勢を掛けた。

 監視団によると、シリアで2014年9月に米主導の空爆が始まって以降、同国内の民間人の死者は今回の攻撃による犠牲者を含めて680人に達した。うち子供が169人となっている。(c)AFP/Delil Souleiman