【11月7日 AFP】中国の国会に相当する全国人民代表大会(National Peoples Congress、全人代)の常務委員会は7日、インターネット上の言論の自由をさらに厳しく制限するサイバーセキュリティー法案を可決した。中国のインターネット上ですでに広く行われている検閲がいっそう強化されるとして懸念の声が上がっている。

 同法はインターネットユーザーに対し「国家の名誉」を傷つけたり、「経済的・社会的秩序を乱し」たり、「体制の転覆」を試みたりするなどといった広範囲の内容の情報発信を禁止している。また企業に対してはユーザーの身元確認を義務付けており、匿名でのインターネット利用を実質上違法にする内容となっている。

 同法案の草案が発表された際には、使用されている言葉のあいまいさに対し、人権団体や企業側から批判の嵐が巻き起こった。特に外国企業は、中国の「国家安全保障」のために当局への協力を義務付けるとの文言に強く懸念を表明。法案の最終草案にも、広義に解釈し得る言葉が含まれている。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の中国専門家、パトリック・プーン(Patrick Poon)氏は「この危険な法律はインターネット企業に対し、監視活動や中国当局への個人データ提供を義務付けるもので、事実上、それらの企業を中国政府のエージェントにさせるものだ」と批判した。(c)AFP