【11月5日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が制圧していた同国北部モスル(Mosul)の奪還作戦を進めているイラク軍は4日、モスルの市街地に初めて入ったが、大量の爆弾と砲撃を使った反撃を受け一部の部隊が部分的撤退を余儀なくされた。

 夜明けを待って、空爆支援を受けたブルドーザーと戦車が東からモスル市街に進攻した。イラク軍がモスル市街に進攻したのは、10月17日にモスルを奪還するための大攻勢を開始して以来、初めて。

 指揮官によると、2014年6月にISがモスルを制圧したとき最後まで街に残っていたイラク対テロ部隊(CTS)の「モスル連隊(Mosul Regiment)」は、今回モスルに入るとすぐに「激しい抵抗」に遭ったという。

 砲撃が数時間ほぼ途切れることなく続き、前線からCTSの無線に入った報告によると、ISは通りの至る所にバリケードを築き、爆弾を仕掛けていたという。

 AFP特派員の報告によると、CTSの装甲車の一部はアル・カラマー(Al-Karamah)の通りに入ったが、ISの激しい抵抗を受け数時間後に撤退した。

 CTSの将校は匿名を条件に「これほどの抵抗は想定していなかった。やつらはすべての道を封鎖していた」と語り、新たな攻撃を仕掛けるかどうか検討中だと述べた。「大勢のイスラム過激派がいた……撤退して新しい策を練るのが得策だった」

 CTSの一部がモスル市内に残っているが、4日に開始されたモスル進攻作戦には少なくとも5個連隊が参加しており、撤退した部隊の規模を判断するのは困難だ。(c)AFP/Sarah Benhaida