【11月3日 AFP】イラク軍などがイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の支配下にある北部モスル(Mosul)市内に進攻する中、ISの最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者が3日、音声メッセージを通じてIS戦闘員に徹底抗戦を呼び掛けた。バグダディ容疑者のものとされる音声の公開は1年以上ぶり。

 IS系のアルフルガン・メディア(Al-Furqan Media)が同日未明にバグダディ容疑者のものとして公開した音声メッセージで、バグダディ容疑者はIS戦闘員に対して「退却するな」と強調。「不名誉な退却をするよりも、名誉を保って持ち場にとどまるほうがはるかに容易だ」と続けている。

 またモスルが位置するニナワ(Nineveh)州に言及し、「ニナワの全ての者、とりわけ戦闘員は、敵に立ち向かうに当たって弱点がないか留意せよ」とも語っている。

 バグダディ容疑者の健康や動静をめぐってはさまざまな臆測が飛び交っているが、現在の居場所がどこかは不明。

 バグダディ容疑者は2014年6月、ISの戦闘員がイラクで広範な地域を掌握した数日後、モスルで珍しく公の場に姿を見せ、イラクとシリアにまたがる地域で「カリフ制国家」の樹立を宣言していた。(c)AFP