【11月2日 AFP】20世紀初めの石油ブーム時代に、米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス盆地(Los Angeles Basin)で発生した強力な地震5件のうち4件は、石油およびガスの生産活動が原因だったとする研究論文が1日、発表された。

 発表された研究論文によると、1920年のイングルウッド(Inglewood)地震、1929年のウィッティア(Whittier)地震、1930年のサンタモニカ(Santa Monica)の地震と1933年のロングビーチ(Long Beach)地震はすべて石油採掘活動に起因した可能性があるという。

 米地震学会の学術誌「Bulletin of the Seismological Society of America」に論文を発表した米地質調査所(USGS)のスーザン・ホフ(Susan Hough)氏とモーガン・ペイジ(Morgan Page)氏は、これらの地域では、地震の直前に石油またはガスの採掘作業が開始されていたと説明している。ただ、研究では直接の因果関係は示されていない。

 このうち、ロングビーチでの地震が最も大きく、マグニチュード6.4を記録。120人の犠牲者を出し、被害総額も5000万ドル(約52億円)に上った。

 研究では、これまでの地質調査や石油業界データの他、当時の政府機関の記録や新聞記事などを詳細に調べた。今回の研究に不参加の別の専門家は、石油とガスの生産活動が大規模地震を引き起こし得ることを示す成果と述べている。

 今日、オクラホマ(Oklahoma)州およびテキサス(Texas)州では、大量の水を地下深く注入してガスなどを取り出す「水圧破砕法」に起因すると考えられる地震が多発している。オクラホマでは昨年、少なくともマグニチュード3規模の地震が1000回近く起きているが、同地域で1978年から2008年に観測された地震は年平均2回だった。(c)AFP