【10月30日 AFP】マイアミ・デイド群検視局(Miami-Dade Medical Examiner's Office)は29日、米大リーグ(MLB)マイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)の元投手で、9月にボート事故で亡くなったホセ・フェルナンデス(Jose Fernandez)の死亡報告書を発表し、体内からコカインとアルコールが検出されていたことが明らかになった。

 9月25日未明、ボートが高速で突き出した岩に激しく衝突した事故で、フェルナンデスと友人のエミリオ・ヘスス・マシアス(Emilio Jesus Macias)さん(27)、エドゥアルド・リベロ(Eduardo Rivero)さん(25)の3人が命を落としている。死亡報告書によると、24歳で亡くなったフェルナンデスの血中アルコール濃度は0.147で、法定基準値0.08の約2倍であったことが判明した。

 米沿岸警備隊(US Coast Guard)が発見した転覆したボートの所有者はフェルナンデスとなっているが、事故時に誰がボートを操縦していたのかは明らかになっておらず、フェルナンデスの家族の弁護士は、本人は操縦していなかったと話している。なお、発表によればフェルナンデスは溺れておらず、事故の衝撃により命を失ったという。

 事故を調査している米フロリダ(Florida)州の魚類・野生生物保存委員会(FWC)は、捜査中のため情報は公開できないと主張していたが、マイアミ・デイド群長のカルロス・ヒメネス(Carlos Gimenez)氏は、マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)紙が検視局を情報公開を求めて告訴したことを受け、29日に文書を公開するよう命じている。

「この件についてわれわれは役割を終えているため、魚類・野生生物保存委員会は捜査の内容を明らかにする責任がある。私は検視局に対し、検視報告と毒物に関する報告書の公開請求に応じるよう指示した」

 マイアミ・ヘラルド紙は、ボートに乗っていた全員が死亡しているため、刑事告訴にはならないとしている。

 検視報告書によると、フェルナンデスの友人2人の体内からもアルコールが検出されているが、ともに法定制限内とされている。また、毒物に関する報告書では、リベロさんの血液からもコカインが検出されていることが分かった。

 少年時代に家族とキューバから亡命し、米国で育ったフェルナンデスは、MLBの注目株で、南フロリダでは多くの人気を集めていた。(c)AFP