【10月29日 AFP】(更新)米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が国務長官時代に私用電子メールサーバーを使っていた問題で、連邦捜査局(FBI)は28日、「関連すると思われる」新たなメールが見つかったことを受け、調査を再開したことを明らかにした。選挙戦をリードする同氏への大きな打撃となる。

 FBIのジェームズ・コミー(James Comey)長官は上下両院の各委員会委員長に宛てた書簡で、一連の新たなメールに機密情報が含まれていたかを判断する「適切な調査」をFBIが行うと説明。さらに、これらのメールが「調査に対して持つ重要性を評価」する意向を示した。

 FBIは以前にもクリントン氏の私用メール問題を調査していたが、今年7月、違法行為の証拠はないとして、調査の終了を発表していた。コミー長官は新たなメールについて、前回の調査とは「無関係の事案と関連して」見つかったと説明している。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、新たなメールの存在は、クリントン氏の側近であるフーマ・アベディン(Huma Abedin)氏とその夫のアンソニー・ウィーナー(Anthony Weiner)元下院議員が所有していた電子機器が押収されたことにより明らかになった。

 民主党所属のウィーナー氏は、インターネット上で女性とみだらな写真を交換していた事実が発覚したことにより下院議員を辞職。現在、15歳の少女と性的なメッセージを交わした疑いで、FBIの捜査対象となっている。

 大統領選をクリントン氏と争う共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は今回の発表にすぐさま反応。ニューハンプシャー(New Hampshire)州マンチェスター(Manchester)で開いた集会での演説で、国務長官在任中に私用メールサーバーを使用したクリントン氏には大統領の資格はないと批判した。

 一方、クリントン陣営の選対部長を務めているジョン・ポデスタ(John Podesta)氏は、コミー長官の書簡に激しく反発し、調査に関する詳細な情報の公表を要求した。(c)AFP