【10月28日 AFP】米配車アプリ大手ウーバー(Uber)は27日、「垂直離着陸(VTOL)機」を用いて利用者を自動車よりもはるかに短時間で職場や自宅まで送り届ける空路のオンデマンド・サービス構想を発表した。

 ウーバーはVTOL機によるサービス構想の実現可能性を98ページに及ぶ報告書にまとめ、起業家らの参加を呼び掛けた。

 報告書は、超高層ビルによって都市の限られた土地の有効利用が可能となったように、都市部では3次元空間を利用した航空輸送によって地上の交通渋滞が緩和されると指摘し、「垂直の離着陸が可能な小型電動飛行機の交通網を築けば、郊外と都市間、最終的には都市内部でも、迅速かつ信頼性ある輸送が可能となる」 としている。

 報告書には、垂直離着陸や前進飛行が可能な様々なプロペラ付きVTOL機の図表も掲載されている。電気を動力源としているため環境に優しく、騒音も少ないという。 自動運転機能を搭載して人的ミスを減らし、充電は既存のヘリパッドやビル屋上の着陸パッドで行うか、未使用の土地に新たに充電ステーションを設ける。

 しかし実現に向けては、VTOL機の価格低下や信頼性、操縦士の訓練、規制当局からの認可、軽量バッテリーの製造など、まだ様々な課題がある。(c)AFP