【10月28日 AFP】大規模な移民キャンプ、通称「ジャングル(Jungle)」の撤去作業が進むフランス北部の港町カレー(Calais)では27日夜、取り残された未成年者を含む移民およそ100人が警察の監視の下、キャンプ内の一角で一夜を過ごした。

「ジャングル」では24日からの2日間で数千人がバスで退去し、掘っ立て小屋やテント等の取り壊し作業が急ピッチで進められている。仏内務省は26日、約5600人が仏国内や英国の受け入れ先に向かったと発表。当局は、キャンプ内は空っぽだとして退去計画の「成功」をたたえた。

 しかし、現地ではいまだ多くの移民が受け入れ先の施設が見つからなかったり、立ち退きを拒否したりしている。キャンプ近くには保護者のいない未成年者の避難所がコンテナを転用して設置されたが、定員1500人を超えたため、27日夜には子ども数十人の寝る場所がないという問題も起きた。

 警察は結局、約100人の移民にキャンプ南側の今年3月に一部撤去が行われた地区で、残っている小屋の中で一夜を過ごすことを許可した。

 現地で支援活動を行う国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」のアンルイーズ・クーリ(Anne-Louise Coury)氏は「移民が取り残されている状況では、計画が完了したとは言えない」と憤りをあらわにした。

 また、各支援団体によると「ジャングル」では退去が始まる前に2000人~3000人がキャンプから逃亡し、周辺地域に身を隠したり、首都パリ(Paris)に向かったりしたとみられるという。(c)AFP/Gina DOGGETT and Juliette MONTESSE