【10月28日 AFP】国連総会(UN General Assembly)の第1委員会(軍縮)は27日、核兵器を法的に禁止する新たな条約の制定に向けた交渉を開始するとの決議を、123か国の賛成多数で採択した。反対は38か国、棄権が16か国だった。

 決議はオーストリア、アイルランド、メキシコ、ナイジェリア、南アフリカ、ブラジルなどが共同提案。「核兵器のいかなる使用によっても引き起こされる壊滅的な人道的惨事」に対し深い懸念を表明し、来年3月に新条約制定の交渉を開始するとしている。この決議に拘束力はないが、年内に国連総会本会議で採択にかけられる見通し。

 国連安全保障理事会の常任理事国5か国中、核保有国である米英仏露の4か国は、反対票を投じた。残る常任理事国の中国は棄権。また、核保有国のインドとパキスタンも棄権した。

 日本は長年、核兵器の使用に反対してきたが、今回の決議では反対に回った。北朝鮮の核の脅威に直面している韓国も反対票を投じた。

 決議に反対した各国は、核軍縮は核拡散防止条約(NPT)の交渉の中で対応すべきだと主張している。(c)AFP