【10月28日 AFP】オーストラリアのホバート(Hobart)で開かれていた「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)」の年次会合で28日、自然保護を目的とした世界最大の海洋保護区を南極に設置することが決まった。長らく設置に反対してきたロシアが反対を撤回したことで合意に至った。これにより、南極のロス海(Ross Sea)に 米国とニュージーランドの支援で広大な海洋保護区が設置されることになる。

 ニュージーランドのマレー・マカリー(Murray McCully)外相によると、新たに設置が決まった海洋保護区の面積は155万平方キロ超。このうち112万平方キロは漁業禁止海域となる。

 海洋保護区の設置をめぐっては、中国が昨年賛成に回ったことから、漁業権への懸念から反対の立場を取るのはロシアだけとなっていた。

 世界でも数少ない未開の海洋生態系が見られるロス海はペンギンやアザラシ、ライギョダマシ、クジラの生息地となっている。科学者たちにとっては、海洋生態系の機能や気候変動の海洋への影響の研究で非常に重要となる場所だ。(c)AFP