【10月27日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は26日、ケニア女子マラソン界のスター選手であるリタ・ジェプトゥー(Rita Jeptoo)に対し、ドーピング違反による資格停止期間を4年間に延長する裁定を下した。これにより、同選手のキャリアは終わりを迎える可能性が浮上している。

 2014年にシカゴ・マラソン(Bank of America Chicago Marathon 2014)と第118回ボストン・マラソン(2014 Boston Marathon)で優勝したジェプトゥーについて、CASは「偽証および妨害」行為を含めて深刻な状況を招いたとして、当初の出場停止期間を倍に引き上げると述べた。

 現在35歳のジェプトゥーは、両マラソンで獲得したタイトルを剥奪され、さらに訴訟費用として1万5000スイスフラン(約158万円)を国際陸上競技連盟(IAAF)に支払うよう命じられた。

 2年前のシカゴ・マラソンで優勝した12日後の10月24日の検査で、赤血球を増加させる禁止薬物のエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)の使用が発覚していたジェプトゥーに対し、IAAFは処分期間延長を求めてCASに提訴していた。

 CASは声明で、「パフォーマンスを向上させるため、当該選手が一定期間にわたりEPOを使用していたことは、陪審員も十分に納得している」としたうえで、問題の物質が医師から注射投与されていた「紛れもない」証拠があるとすると、「当該選手は注射の事実および問題の医師との関係性について、異なる状況説明を重ねた」と述べた。

 ジェプトゥーの代理人は弁護を取り下げており、ケニア陸連(AK)も公聴会には参加しなかった。

 ボストン・マラソンで通算3勝を記録していたジェプトゥーは前週、主要大会への復帰を望んでいるとして、AFPの取材に対し、「近々マラソンへの復帰を果たす希望を持ちながら、本格的なトレーニングを再開しています」とCASの裁定を楽観するコメントを出していた。

 一方、シカゴ・マラソンの主催者は同日、正式にエチオピアのマレ・ディババ(Mare Dibaba)を2014年大会の優勝者に決定。同選手は2時間25分37秒の2位でレースを終えていた。(c)AFP