【10月26日 AFP】米ロサンゼルス(Los Angeles)の病院が、精神障害のあるホームレスの女性(38)を紙製の病衣を着せたまま路上に「放置」したとして、同市当局から訴えられていた問題で、病院側が和解金45万ドル(約4700万円)を支払うことが分かった。

 ロサンゼルス市は2015年4月、「ガーデンズ・リージョナル・ホスピタル・アンド・メディカル・センター(Gardens Regional Hospital and Medical Center)」の職員数人が、統合失調症などの精神障害のある女性を、ホームレスが多く住むスキッドロウ(Skid Row)地区の支援施設に車で連れて行き、紙製の病衣を着たこの女性をそのまま放置したとして、同病院を訴えていた。

 糖尿病やぜんそくも患っていた女性は、お金や処方薬、身分証明書を持っておらず、施設で受け入れてもらえなかった。当局に通報があるまで、女性は数時間にわたり路上をさまよい歩いていた。女性は、少なくとも5回にわたり同様の方法で路上に放置されたとみられている。

 ロサンゼルス市のマイク・フューアー(Mike Feuer)検事は24日、市当局と病院側が和解したことを明らかにした。

 だが、今回の和解で病院側は罪を認めていない。病院は破産法を申請し、現在、売却が進められている。

 近年ロサンゼルスでは多くの病院が、患者を路上に放置したとして訴えられている。(c)AFP