【10月26日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は25日、イラク軍がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のイラクでの最後の主要拠点モスル(Mosul)奪還作戦を進める中、ISが民間人数十人を殺害したとの情報提供を受けたことを明らかにした。

 OHCHRのルパート・コルビル(Rupert Colville)報道官はスイスのジュネーブ(Geneva)で記者団に対し、今回の殺害に関する情報は民間人や政府の情報筋から提供された「予備的」なもので、身の安全のため情報提供者の氏名は公表できないと語った。

 提供された情報によると、残虐行為はイラク軍がモスルへと進攻していた19日~23日にIS戦闘員によって実行されたという。

 モスルの南約45キロにあるサフィナ(Safina)村では民間人15人が処刑され、遺体が川に投げ込まれた。他の住民に恐怖心を広めるためとみられる。サフィナ村では民間人6人が19日に手を車につながれて村中を引きずり回されたとの情報もある。6人はISと敵対している部族長と関わりがあったというだけでそのような目に遭ったとみられている。

 23日にはモスルの南にあるルフェイラ(Rufeila)村でISが住民を強制的に行進させた際に、ついて行けなかった女性3人と女児3人の計6人を射殺したという。6人が行進について行けなかったのは、殺された女児の1人が身体障害者だったためだとみられている。

 またコルビル報道官は、ISの人質となっていた元警察官50人が23日にモスル近郊の建物で処刑されたとの情報があることも明らかにした。(c)AFP