【10月26日 AFP】オランダの発明家らが25日、世界初と称する、掃除機型の屋外向け巨大空気清浄機を公開した。周囲の大気から有毒微粒子をろ過・除去することを目的とした大型の浄化システムだという。

 オランダの首都アムステルダム(Amsterdam)でこの浄化システムを公開した同国の技術系新興企業エンビニティ・グループ(Envinity Group)の広報担当、ヘンク・ボーアセン(Henk Boersen)氏は「全長約8メートルの鋼製の大型産業用フィルターで、基本的にはビルの上部に設置され、大型の掃除機のように機能する」と説明した。

 このシステムでは、周囲の半径300メートル、最大で7キロ上方に及ぶ範囲から空気を吸入できるとされる。エンビニティによると、オランダ・エネルギー研究センター(ECN)が試作機に対して実施した検査結果では、1時間当たり約80万立方メートルの空気を処理することが可能で、微粒子の100%、超微粒子の95%を除去できるという。

 欧州環境庁(EEA)によると、木材などの燃料を燃やした煙や、工業用燃焼装置の排気などに起因する微粒子は「健康に有害な影響」を及ぼすとされる。

 欧州地域の居住者約90%は、世界保健機関(WHO)の推奨値を上回る濃度で、これらの発がん性の恐れがある微粒子にさらされている。エンビニティによると、車や飛行機の排気として放出される超微粒子については、「脳細胞を含む神経系に損傷を与える上、感染症を引き起こす」リスクが考えられるという。

 今回のプロジェクトをめぐっては、政府機関や企業、空港などがすでに興味を示しているという。(c)AFP