【10月26日 AFP】米カリフォルニア(California)州の連邦地裁は25日、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題をめぐり、VWが米規制当局や不正対象車のオーナーらから起こされた集団訴訟で合意した147億ドル(約1兆5300億円)の和解内容を最終承認した。自動車メーカーの和解金額としては過去最高となる。

 米国やカリフォルニア州の環境当局は、大気汚染関連の法令に違反したとしてVWに罰金を科すことを目指していたが、同社が不正対象車を買い取ることで一部は和解に至る。

 今回の和解ではVWと傘下アウディ(Audi)のディーゼルエンジンを搭載した不正対象車を利用する米国の約50万人に対して補償を行う。VWは排ガス試験で不正を行ったことを認めている。これにより一部の車では有害な窒素酸化物の排出量が許容値の約40倍まで増えていた。

 2リッターエンジン搭載のディーゼル車の利用者は、車の買い戻し、違約金なしのリース契約解除、無料修理の対象になる。またVWは約50万人に対し現金での補償も行う。

 VWは100億ドル(約1兆400億円)の補償費用に加え、環境改善のための基金設立に27億ドル(約2800億円)を拠出し、米国での「ゼロエミッション(有害な排出物ゼロ)車」普及のために20億ドル(約2080億円)を提供する。(c)AFP