【10月25日 AFP】女子テニス、WTAツアー選手権(BNP Paribas WTA Finals Singapore 2016)は24日、シンガポールで2日目が行われ、大会第8シードのスベトラナ・クズネツォワ(Svetlana Kuznetsova、ロシア)が昨年覇者で第2シードのアニエスカ・ラドワンスカ(Agnieszka Radwanska、ポーランド)を7-5、1-6、7-5で破った。

 今大会の出場権を獲得してから2日足らずでこの試合に臨んだクズネツォワは、その疲労からか一時は取り乱す寸前の状態に陥ったが、何とか力を奮い起こして初戦を制した。

 試合は第3セット序盤、クズネツォワが主審にはさみを要求し、即興で自身のポニーテールの先を切り落とすと、スタジアムの観客も驚きのあまり言葉を失った。

 クズネツォワは、「髪がすごく邪魔だった。ヘッドバンドのうしろに持っていこうと思ったのですが、私の髪はとても太くて重いんです」と説明したうえで、「『今、何がより重要なことなのか?また伸ばすことができる髪の毛なのか、この試合なのか?』と考えた結果、今は全力を尽くさなければいけないときだと思いました。ただそれだけです」と語った。

 四大大会(グランドスラム)通算2勝を誇るクズネツォワは今回、世界ランキング上位8選手のみが出場を許される最終戦に2009年以来の出場を果たしているが、出場権獲得の過程で要した肉体的かつ精神的な疲労が身にこたえている。

 現在31歳のクズネツォワは、22日に露モスクワ(Moscow)で行われたクレムリン・カップ(Kremlin Cup 2016)で優勝を果たし、ジョアンナ・コンタ(Johanna Konta、英国)を追い抜いて出場権の最後の一枠を獲得すると、大会初戦へ向けて、試合が行われる東南アジアへ直行しなくてはならなかった。

 この日行われたもう一方の試合では、先月の全米オープン(US Open Tennis Championships 2016)ファイナリストで第4シードのカロリーナ・プリスコバ(Karolina Pliskova、チェコ)が、第5シードのガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)にマッチポイントを握られながらも、6-2、6-7(4-7)、7-5でフルセット勝ちを収めている。(c)AFP