【10月24日 AFP】英国銀行協会(BBA)は23日、現在国内に拠点を置いている国際銀行が、英国の欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット(Brexit)」後の不透明感への懸念から、2017年に一部業務を海外移転するとの観測を示した。

 BBAのアンソニー・ブラウン(Anthony Browne)会長が、英高級日曜紙オブザーバー(Observer)への寄稿で明らかにした。英国に拠点を置く各行は、2019年に英国がEUから離脱した後もEU域内でサービスを提供できるのか確証がないため、あらゆる可能性に対処できるよう準備を進めているという。

 英国を拠点とする銀行から他のEU加盟国の企業・政府への貸出残高は、ブラウン会長によれば総額1兆1000億ポンド(約140兆円)に上る。また、英国と他のEU加盟国との間で行われている自由な金融取引は、総額200億ポンド(約2兆5000億円)を上回るという。

 ブラウン会長は、国際銀行の大半が既に対策チームを立ち上げ、「海外移転を決めるボタンの上で手を震わせている。中小銀行の多くは(今年の)クリスマス前に、大手銀行も来年の第1四半期には(移転を)開始するとみられる」と述べている。(c)AFP