【10月23日 AFP】ミャンマーの最大都市ヤンゴン(Yangon)近郊のトゥワンテ(Twante)で、呪術師を自称する男が幼い子どもたちを虐待し、3人が死亡した。警察の発表や遺族の発言で22日に明らかになった。

 警察によると、死亡した3人は、3歳の男児と2歳の女児、生後8カ月の赤ちゃんで、遺体に殴る蹴るの暴行を受けた痕があった。男は子どもたちが悪霊に取りつかれていると家族に告げ、18、19両日の夜に悪魔払いの儀式を執り行い、その最中に暴行を加えた。

 地元の軍幹部がAFPに語ったところによると、男は村の住民らをトランス状態に導いた上で、衆目環視の中で子どもたちを殺した。まず18日夜に男児を虐待して死なせ、遺体を水路に遺棄した。戻ってきてから女児3人を虐待し、うち2人が死亡した。

 死亡した男児のおじは事件当時の様子について、住民らが男から「聖水」を与えられ、その後、輪になって立つよう指示されたことを明らかにした。男が呪文を唱え、まじないをかけるうちに、住民らは理性を失っていったという。

 ミャンマーでは国民の大多数が仏教徒であるものの、精霊や占星術、「ヤダヤ」と呼ばれる厄除けの呪術も広く信じられている。2011年の民政移管以降、国内にはスマートフォンや欧米諸国のブランド、高級ホテルが大量に流入したが、その半面で占い師や呪術師に相談する国民は依然として多い。(c)AFP/Hla-Hla HTAY