【11月25日 AFP】英国の11歳少女、アルマ・ドイチャー(Alma Deutscher)さんが縄跳びの力を借りて書き上げたというオペラが、今年のクリスマスシーズンにクラシック音楽の都オーストリア・ウィーン(Vienna)で上演される。自分が12歳にもならない頃のことを思い返してみてほしい──何という偉業だろう!

「神童」の呼び声高いアルマさんは、このオペラ作品のピアノパートを演奏しながら、「自分に顎ひげが生えていて、年寄りで太っちょだったら、もう少し本気で評価してもらえるかもしれないなんて考えることがあります」とAFPに語った。

 とはいえ、かつてウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)やフランツ・シューベルト(Franz Schubert)が公演していた神聖な舞台で、自身が制作したオペラ「シンデレラ(Cinderella)」の来月29日の初演に向け準備が始まってからというもの、そういう思いにも変化が出てきたという。

 アルマさんが上演時間2時間に及ぶこのオペラを書き始めたのは8歳の時。作曲を手掛けるともに、この有名なおとぎ話にひねりを加え、オペラ用にアレンジした。

 シンデレラの義姉役の一人として出演するオーストラリア人歌手アンナ・ボセガ(Anna Voshege)さんは、アルマさんが作曲するものに幼稚さは一切ないと断言する。「曲を聞いてから彼女が11歳だと知り、それはもう大変な衝撃を受けました。曲中のニュアンスには本当に類いまれで複雑なものもあります」とAFPに語ったボセガさん。「とても美しい音楽で、彼女は実年齢のはるか上を行っています」