【10月22日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は21日、イラク北部の都市キルクーク(Kirkuk)を攻撃した。イラク軍は、国内第2の都市でISにとって同国最後の拠点となるモスル(Mosul)の奪還作戦を進めており、今回の攻撃はこのモスルから政府軍の注意をそらす陽動作戦とみられている。

 21日朝、キルクークの住民たちを起こしたのは銃撃の音と、モスクのスピーカーから大音量で流れるISをたたえる放送だった。

 キルクーク当局の幹部によれば、ISが犯行声明を出した今回の攻撃を遂行した戦闘員はおよそ100人で、手投げ弾を携行し、爆発物を装着したベストやベルトを身に着けていた。少なくとも5人がキルクーク警察本部を含めた自治体庁舎に自爆攻撃を仕掛け、交戦中に少なくとも警察官6人、IS戦闘員12人が死亡した。

 クルド人部隊は容疑者の1人の身柄を拘束。尋問に同席したAFP記者によると、この容疑者は、今回の攻撃がモスルの前線に対する圧力をキルクークにそらすことが目的だったと明かした。

 イラク首相府は、IS戦闘員の残党を追い詰め、危機を終結させるために、キルクークへ部隊を増援すると発表した。(c)AFP/Marwan Ibrahim with Sarah Benhaida in Arbil and Salam Faraj in Baghdad