【10月22日 AFP】ドイツの警察当局は21日、北部の2都市で「恐怖のピエロ」騒動に関連した事件が5件発生したことを明らかにした。そのうち1人の被害男性はマスクをかぶった犯人に襲撃され、けがをした。ハロウィーン(Halloween)によって同様の襲撃事件が多発する恐れがあり、不安が広がっている。

 警察によれば、独北部ロストック(Rostock)で20日、男性(19)がマスクをかぶった人物に野球のバットで殴られ、頭や腕に打撲傷を負った。

 同日、同地域では他にも4件の通報があった。同じロストックでは、少年(15)がバス停でナイフを持ったピエロに脅される事件が発生。近隣のグライフスバルト(Greifswald)では子ども2人が別々の場所で、チェーンソーを持った3人組のピエロに脅された。チェーンソーと思われる凶器を持ったピエロに出会い恐怖を覚えたという女性の通報もあった。

 独紙ビルト(Bild)によると、過去1週間にわたって国内各地ではピエロ絡みの通報が十数件寄せられている。

 ピエロ騒動は米国から欧州に飛び火し、スウェーデンでは先週、男性1人がピエロのマスクをかぶった襲撃犯に刃物で刺される事件も起きた。

 ドイツ警察労働組合(DPolG)のライナー・ベント(Rainer Wendt)書記長は、一連の騒動を沈静化するため市民に対し、どのような被害でも通報するよう呼び掛ける一方、司法当局に対して事件が悪質な場合は加害者に「数年間の禁錮刑などの厳罰を科す」よう要請した。(c)AFP