【10月22日 AFP】タイサッカー協会(FAT)は21日、国中がプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王(ラーマ9世)の死去を悼むなか、来月行われる2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)アジア最終予選でのオーストラリア戦で、応援を禁止すると発表した。

 世界最長の在位で知られた国王が13日に死去し、国中が深い悲しみに包まれていることを受け、タイ側は11月15日に行われる一戦の試合会場変更を模索していたが、FATによるとオーストラリア側はこれに難色を示していた。

 無観客試合も視野に入れていたFATは、観客の応援や服装について制限を設ける判断を下した。

 FATの広報担当はAFPに対し、「スタジアム内ではドラムやアンプ、横断幕を使用したすべての応援が禁止されます。観客は黒や白、グレーや地味な色の服を着用しなければなりません」と語り、喪章の着用も許容されるとしている。

 国王の死後、国民の多くは喪服に近い服装をしており、政府職員は1年間色のついた服の着用を禁じられている。

 タイでは、陸軍からの要請で服喪期間の最初の30日は祝い事の自制が宣言され、スポーツ大会をはじめコンサートや娯楽などのキャンセルが相次いでいる。

 現在オーストラリアがW杯アジア最終予選のグループBで2位につける一方で、4試合を終えて勝ち点を1ポイントも稼げていないタイは、何としても勝利をもぎとりたいところだ。(c)AFP