【10月21日 AFP】(写真追加)国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は20日、シリア北部アレッポ(Aleppo)でロシアとシリア政府軍の空爆による死者が約500人に達したと発表した。全ての死者のうち4分の1以上が子どもで、負傷者も約2000人に上るという。さらにアレッポでは今月末にも食料備蓄が尽きる見通しだ。

 国連総会(UN General Assembly)の特別会合で潘事務総長は、シリア政府が9月22日に反体制派が掌握するアレッポ東部の奪還作戦を開始して以来、5年にわたる内戦で最も激しい空爆が行われていると指摘し「恐ろしい結果がもたらされている」と述べた。

 さらに潘事務総長は、人道支援物資を積んだ国連の車列が7月7日以降はアレッポに入れていないと明らかにし、10月末にはアレッポの食料備蓄が底をつくだろうと警告。戦争の武器の一手段として飢えが利用されていると非難した。

 20日の会合は、国連安全保障理事会(UN Security Council)でアレッポ空爆の停止を求める決議案がロシアの拒否権発動によって否決されたことから、事態の打開を目指しカナダの主導で72か国が呼び掛けて開催された。

 アレッポは20日、シリア政府軍を支援するロシア政府が発表していた人道的措置としての空爆停止時間に入ったが、脱出の呼び掛けに市民が応じている様子はほとんど見られない。

 ロシアは空爆停止をさらに24時間延長する意向を示しており、国連は全当事者から了解が得られれば21日にもアレッポで初めてとなる医療救助を実施したいとしている。(c)AFP