【10月21日 AFP】欧州連合(EU)の首脳会議が20日、ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で2日間の日程で開幕した。

 初参加となった英国のテリーザ・メイ(Theresa May)首相は6月に行われた国民投票で決まったEU離脱について、「円滑」に離脱できるようEU首脳陣に協力を要請した。これに対し、フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は、メイ首相が「ハードブレグジット(強硬離脱)」を主張するならば厳しい交渉を覚悟すべきだと警告した。

 オランド大統領はブリュッセル到着時にも報道陣に向かって「はっきり言ったはずだ。テリーザ・メイ氏が強硬なブレグジット(Brexit、英のEU離脱)を望むならば、交渉も強硬なものになる」と語っている。

 一方、欧州理事会(European Council)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)常任議長(EU大統領)の態度はオランド大統領の激高発言とは対照的だ。

 先月、EU27か国の首脳が出席してスロバキアの首都ブラチスラバ(Bratislava)で開かれた非公式首脳会議にメイ首相は招かれなかった。今回の首脳会議へのメイ首相参加に奔走したトゥスク氏は「メイ氏にとって欧州理事会の初会合は虎穴に入るようなものだと一部メディアは評しているが、そんなことはない。それよりも鳩の巣のようなものだ」とメイ首相を歓迎する姿勢をみせ、「われわれと彼女とは完全にうまくやっていける。EUが世界で最も優れた集合体だと彼女が認識するよう願っている」と語った。

 そのうえでトゥスク氏は離脱交渉について、英国がEU脱退の正式手続きを定めたEU基本条約(リスボン条約、Lisbon Treaty)第50条を発動して離脱まで2年のカウントダウンが始まってからになるとの考えを繰り返した。(c)AFP/Alice RITCHIE