【10月21日 AFP】米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏(70)から過去に性的嫌がらせを受けたという女性の訴えが相次いでいる問題で、体を触られたり不適切な性的な言葉をかけられたりしたと主張する女性1人が20日、新たに名乗り出た。

 女性は米ニューヨーク(New York)でヨガのインストラクターをしているカリーナ・バージニア(Karena Virginia)さん(45)。この日開いた記者会見で、1998年の全米オープンテニスの会場でトランプ氏に暴行されたと訴え出た。

 バージニアさんが読み上げた声明によると、トランプ氏は当時27歳だったバージニアさんを指さしながら、他の男性たちに「おい、あれを見ろよ。あれを見るのは初めてだ。あの脚ときたら、人ではなく人形の脚みたいだ」と語ったという。さらに、バージニアさんの腕をつかんで胸を触り、「俺が誰かを知らないのか?」と繰り返した。

 バージニアさんはその時、「恐怖と自身の無力さ」を感じたという。また丈の短いワンピースとハイヒールを身に着けていることが恥ずかしく思え、その感情はしばらく消えなかったと振り返った。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は今月7日、自分は有名人だから女性の同意なしに体を触っても許されるなどと下品な言葉で豪語するトランプ氏を捉えた2005年の映像を公開。その後、同氏から強引な誘いを受けたと訴える女性が続々と現れ、その一部は性的暴行を受けたと主張している。今回バージニアさんが名乗り出たことで、その数は計10人となった。

 トランプ氏は19日、民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官(68)との最後の討論会で、これらの訴えを「でっち上げだ」として改めて全面的に否定していた。(c)AFP