【10月20日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は、好調リバプール(Liverpool FC)を沈黙させることに成功して試合後にはいたずらなコメントを残し、かつての姿を取り戻しつつあるようだ。

 オールド・トラフォード(Old Trafford)で不安定な船出を切ったモウリーニョ監督は、9月半ばに公式戦3連敗を喫するなど、シーズン佳境を迎える前に優勝戦線から脱落する危機にあった。

 しかし、ユナイテッドは敵地アンフィールド(Anfield)でスコアレスドローを演じて7位に踏みとどまっており、モウリーニョ監督の手法がクラブの低迷に3年で終止符を打つ兆しが見られた。

 ユナイテッドの元主将で、スカイ・スポーツ(Sky Sports)の評論家を務めるギャリー・ネビル(Gary Neville)氏は、「ユナイテッドはモウリーニョが求めることを完璧にこなした」とコメント。

「マンチェスター・ユナイテッドのいちファンとして、この段階でモウリーニョを見限る理由が見当たらない。彼がいつもそうしてきたことを『今度も彼はそれができるか?』と問う段階ではないんだ」

 ユナイテッドのアンフィールドでの息の詰まるような手堅いパフォーマンスは、2014年4月にモウリーニョ監督率いるチェルシー(Chelsea)が同地で2-0で勝利し、リバプールの優勝の望みを絶った一戦を思い起こさせた。

 リバプール戦でユナイテッドは、ウイングのマーカス・ラシュフォード(Marcus Rashford)とアシュリー・ヤング(Ashley Young)がサイドバックをサポートするために下がって6バックになる場面が多く見られ、マルアン・フェライニ(Marouane Fellaini)はピッチの中央で支柱となった。

 アーセナル(Arsenal)を4-3、昨季王者のレスター・シティ(Leicester City)を4-1、そしてハル・シティ(Hull City)を5-1で粉砕するなど、今季のリバプールは攻撃陣が爆発しているが、ユナイテッド戦では枠内シュートはわずか3本に終わっている。

 英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は「古き良きモウリーニョ」と報じ、大衆紙デーリー・ミラー(Daily Mirror)はモウリーニョ監督がリバプールのユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督を「出し抜いた」と伝えるなど、各紙は好意的な見解を示しており、リバプールの主将ジョーダン・ヘンダーソン(Jordan Henderson)も、ユナイテッドの選手は「自分たちの仕事をした」と認めている。