■ATP会長「ニックは素晴らしい才能の持ち主だ」

 これまで数々の問題行動を起こし、新たに上海で怒りを爆発させたキリオスは、昨季もスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)の恋人を侮辱するような発言をしたことで、1か月の出場停止処分を受けている。

 ATPのクリス・カーモード(Chris Kermode)会長は、「ニックの上海での振る舞いは容認できないものであり、テニスとファンに対する侮辱である」と話し、「われわれはこれらの問題を深刻に受け止めており、彼も自分の行動について謝罪している」と述べた。

「ニックは素晴らしい才能の持ち主だ。支援を受けるためにツアーを離脱する今回の機会を利用して、彼が精神的に成長し、以前よりも強くなって競技に戻って来られることを期待している」

 上海マスターズの2回戦におけるキリオスを調査した結果、ATPは同選手が試合の高潔性に反する行為をしたと判断し、罰金の追加と8週間の出場停止処分を決めたが、「しかしながら、当該選手はスポーツの精神分析医の指導、もしくはATPが承認した同様の計画に基づく治療を開始することに合意すれば、処分は3週間に軽減されることになる」としている。

 精神分析医との面会に合意した場合、キリオスは3週間の出場停止処分を経て、11月7日にツアー復帰が可能になる。しかし、今季はこれ以上大会に出場する予定はなく、3週間の出場停止は事実上シーズン終了を意味する。

 豪テニス協会の広報担当は、AFPの取材に対して、「われわれはマネジメント会社と話し合いを続けており、ニックはスポーツの精神分析医の助言を受けることに合意している。現時点では、来年1月上旬に行われる男女混合国別対抗戦ホップマンカップ(Hopman Cup)でプレーすることが可能となっている」と語った。(c)AFP