【10月18日 AFP】男子プロテニス協会(ATP)は17日、上海マスターズ(2016 Shanghai Rolex Masters)の試合中にかんしゃくを起こしたニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)に対し、8週間の出場停止処分を科したと発表。豪テニス協会(Tennis Australia)は同日、同選手が処分期間の短縮に向けて精神分析医の指導を受けることを明らかにした。

 ツアーを主催するATPは、新たに2万5000ドル(約260万円)の罰金を科したうえで、21歳のキリオスがその短気な気性について専門家のアドバイスを受ければ、出場停止期間は8週間から3週間に短縮されるとしている。

 世界ランキング14位のキリオスは、上海マスターズの2回戦でポイントを放棄したり、ファンと口論に及んだりする問題行動を起こした。そして、ミーシャ・ズベレフ(Mischa Zverev、ドイツ)に3-6、1-6で敗れ、試合後には観客からブーイングを浴びていた。

 豪テニス協会は声明で、今回の処置がキリオスの支えになるとしており、「ニックの健康と精神的安定が最優先になる。ATPは適切な専門家のアドバイスを受けることを条件に処分軽減を提示した。同選手はこれに同意している」と述べた。

 キリオス本人も改めて自身の振る舞いについて謝罪し、「度重なるけがとの闘いや、今夏の終わりに向けて厳しい試練が続くなど、今季は長いものになっている。上海ではついに、精神的にも肉体的にも悲鳴を上げてしまった」とコメント。「どんな言い訳もできない。上海をはじめ世界中のファンや、素晴らしい仕事をしている上海マスターズの主催者にも、謝罪しなければならないことは十分に自覚している」

 キリオスはまた、「今季がこのような形で終わることを悔やんでいる」と話すと、「ATPの決断を理解すると同時に尊重する。このオフシーズンを利用して、コート内外で成長していきたい」と述べた。