【10月16日 AFP】米連邦司法当局は14日、ソマリア人移民が居住する集合住宅の爆破計画を立てていたとしてカンザス(Kansas)州の男3人を逮捕、起訴した。

 米司法省の声明によると、3人は攻撃に向けて見張りを行っていたほか、銃器や爆弾製造の材料を大量に備蓄して、攻撃は「人々の目を覚まさせるためだ」という声明も用意していたという。

 3人は、大量殺人兵器使用を共謀した罪で起訴された。有罪になれば連邦刑務所で終身刑となる可能性がある。

 トム・ビール(Tom Beall)カンザス地区連邦検事代理は声明の中で「(3人の)罪状は米連邦捜査局(FBI)による過去8か月間の捜査に基づくものだ」と述べた。

 カーティス・アレン(Curtis Allen、49)、ギャビン・ライト(Gavin Wright、49)、パトリック・ユージーン・ステイン(Patrick Eugene Stein、47)の3被告はいずれもカンザス州民で、うち1人はすでに拘束されていたが、残りの2人は14日に逮捕された。

 3人は、カンザス州内の小都市ガーデンシティー(Garden City)にあり、ソマリア移民が多く居住する集合住宅の爆破計画を立てていた。住宅のうち1つは地元のソマリア人がモスクとして利用しているという。

 3人は車4台に爆発物を積み、集合住宅の四隅に駐車して大規模な爆発を起こすことを計画していたとされている。当局によると3人は「クルーセーダーズ(Crusaders 十字軍戦士)」という民兵組織の中核メンバーだったという。

 当局は今年2月に3人の捜査に着手し、身元を隠した捜査官によるおとり捜査を行っていたという。捜査当局は3人のグループより規模の大きい「カンザス防衛隊(Kansas Security Force)」と呼ばれる民兵組織の集会に参加した情報提供者の協力も得ていた。

 米司法省のジェームズ・クロス(James Cross)報道官がAFPに語ったところによると、3人は17日朝、罪状認否手続きのため出廷する。

 地元テレビ局KWCH TVによると、ソマリア人移民の多くは同地域にある食品会社タイソン・フーズ(Tyson Foods)の食肉処理工場で雇用されているという。約200人が居住する集合住宅の現場から報道したKWCHは、現地のソマリア人コミュニティーは事件に衝撃を受けていると伝えた。(c)AFP