【10月14日 AFP】ノルウェースキー連盟(Norges Skiforbund)は13日、クロスカントリースキー女子の元五輪金メダリストであるテレーセ・ヨーハウグ(Therese Johaug、ノルウェー)が、薬物検査で陽性反応を示したと発表した。

 ノルディックスキー世界選手権(FIS Nordic World Ski Championships)で通算7個の金メダルを獲得している28歳のヨーハウグは、先月16日に実施された抜き打ち検査で、禁止薬物に指定されているアナボリック・ステロイド(anabolic steroid)のクロステボール(clostebol)に陽性反応を示した。 

 ヨーハウグは、2010年に行われたバンクーバー冬季五輪で20キロメートルリレーの金メダルに輝いたほか、2014年のソチ冬季五輪では、30キロメートルフリースタイルで銀メダル、10キロメートルクラシカルで銅メダルを手にした実績を持つ。

 同連盟によると、ヨーハウグは8月に行われたイタリア高山での練習中に、唇の日焼け止めとしてトロフォデルミン(Trofodermin)と呼ばれるリップクリームを使用していたが、禁止薬物が含まれていたことは知らなかったという。同日には今回の責任を取り、代表チームのドクター1人が辞任を表明した。

 ヨーハウグは、「この状況に遭遇して打ちひしがれており、とても複雑で信じられない思いです。これは不公平であり、不当なものと感じますが、アスリートとして自分が使用したものについては、自己責任であると痛感しています」とコメントした。

 具体的な処分については発表されておらず、ノルウェーの反ドーピング機関(Antidoping Norge)の関係者は、ヨーハウグが陽性反応を示したステロイドは少量であると明かし、「この物質が運動能力を向上させたことを示すものは何もない」とコメント。一方、同機関の法律専門家は、ドーピング違反で有罪となった場合、ヨーハウグは4年間の出場停止処分が科される可能性があると警告している。

 ノルウェーのクロスカントリースキー界では最近、マルティン・ヨンスルスンビ(Martin Johnsrud Sundby)が無許可でぜんそくの治療薬を使用したとして、2015年のW杯総合優勝とツール・ド・スキー(Tour de Ski)のタイトルをはく奪されたばかりで、ノルウェースキー連盟にとって今回の問題は、それに続く打撃となっている。同連盟は、必要な許可を申請しなかったヨンスルスンビに全責任があると述べていた。(c)AFP