【10月13日 AFP】ポーランドがフランスから軍用ヘリコプターを購入する計画がとん挫し、交渉の経緯をめぐって両国間に外交摩擦が生じる中、ポーランドの副国防相が「フランス人にフォークの使い方を教えてやったのはポーランドだ」と発言して物議を醸している。

 ポーランドは先週、欧州航空機大手エアバス(Airbus)が製造する軍用ヘリ50機を購入する数十億ユーロ規模の計画を中止。これに対しエアバスのトム・エンダース(Tom Enders)最高経営責任者(CEO)が、世界のどの国の政府からもこれほど悪い扱いを受けたことはないと怒りを表明すると、同社を支援していたフランス政府とポーランド政府の対立に発展した。

 フランス側は、フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領のポーランド訪問を延期。さらに、今月自国で開催する国際海洋軍事産業の見本市「ユーロナバル(Euronaval)」へのポーランド代表団の招待を撤回した。

 こうした中、ポーランドのバルトシュ・コブナツキ(Bartosz Kownacki)副国防相は、同国の民放テレビ局TVN24のニュース番組で「フランス側はかなり以前にわが国を公式に招待したのに、今になって出ていけと言ってきた」と発言。「だが、彼らは2~3世紀前にわれわれがフォークの使い方を教えてやった連中だ。今回の彼らの態度も、それで説明がつくかもしれない」と続けた。

 コブナツキ副国防相の発言は、フランスにフォークを広めた国王アンリ3世(King Henry III)が、仏王位を継ぐ前にポーランド国王だった事実に基づいている。もっとも歴史家の間では見解が分かれており、アンリ3世がフォークに出会ったのはポーランドを去った後のイタリア・ベネチア(Venice)だったとの見方もある。

 ポーランド政界ではコブナツキ副国防相の発言に与野党から批判が噴出。週刊紙ポリティカ(Polityka)ウェブ版は、「フォークで外交的自殺を図った恐らく最初の政治家」とコブナツキ副国防相を称している。(c)AFP